202号室の、お兄さん☆【完】
な、泣きすぎてしまった目は、昨日千景ちゃんが冷たいタオルと温かいタオルで交互に冷やしたり温めたりしてくれたので……腫れなかったのですが、
じ、充血は治らなかったんです!!
「鳴海んとの初デートなのに……」
「ま、まぁうさぎちゃんみたいで可愛いよ」
リヒトさんが目薬を差してくれました。
待ち合わせまで1時間を切ってしまって慌てていた私の部屋に、
リヒトさん、トールさん、千景ちゃんが突撃して来たのです!
「千景ちゃん、講義は……?」
「ああ、葉瀬川さんだし大丈夫よ」
だ大丈夫なんですか!?
「シャボテン公園って調べたら、結構歩くのよねぇ」
「風も強いし、短パンにこの薔薇のタトゥータイツ可愛いよね!」
「お、超短パンだ! 可愛いね」
「じゃあ、上のTシャツは」
な、何で皆さん気合い入ってるんですか!?
いつぞやの岳理さんを騙すデートの時とデジャヴしますが、
此方は殺気だってます。
私の服装を見て、千景ちゃん悲鳴さえあげてましたもん。
――センスが欲しいです。
「髪型も冒険してみる? お団子とか」
クシを持ってリヒトさんが言いますが、私は首を振りました。
「髪はお兄さんに電車の中でやってもらいます」