202号室の、お兄さん☆【完】
「そっか」
リヒトさんがにっこり笑うと、髪はそれ以上触る事はありませんでした。
そ、そう言えば……。
お兄さんの私服は大丈夫でしょうか?
いつも部屋着は上はチェックだし、変な柄のパジャマとかですが……。
いや、私は普段の着飾らないお兄さんとカフェでの格好良いお兄さんも好きなのですが、
「は!!」
「どうしたの? みかどっ」
「いえ、いつぞやの白いスーツのホスト姿で来られたら、あ、歩きにくそうだなぁって」
ちょっと注目も浴びる気がします。
「鳴海さん、私服ダサかったかしら……?」
「みかどちゃん、ちょっと目閉じてね~」
そう言って、淡いピンクの花柄のシャツに合わせて、オレンジ色のシャドーを塗られました。
「――鳴海んは問題無いよ」
少し不機嫌そうにそう言うと、リヒトさんもムスッと頷きます。
「あっちにはコスプレ並みにオシャレな孔礼寺くんが居るから」
そう、名前が出ても、
甘く苦く胸は締め付けられましたが、
私の心は落ち着いていました。
「リヒトさん、トールさん、……千景ちゃん、本当にありがとうございます」
3人のおかげで気に病む時間も無いです。
さて!
後はお兄さんに返事をするのみです!