202号室の、お兄さん☆【完】
「だ、だから」
「だから?」
お兄さんが息を飲みました。
「だから!
け、結婚を前提にしたおおお、お付き合いでは駄目でしょうか?」
まだまだ日々の生活にあたふたしてる私と、
監禁からやっと外へ出たお兄さん。
焦らずにゆっくりのペースで良いと思うんです。
お兄さんは、緊張していた顔を緩め、呆然としていました。
溶けかけのサボテンソフトクリームが、握っている指に垂れてきています。
けれど、
極上に甘く甘く、笑ってくれました。
「もちろんです! みかどちゃん、大好きです!!」
「!!!」
か、かか可愛い……!
天使が降りて来たかと思いました。
「不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」
「あ、こ、此方こそ、お兄さん、よろしくお願いします」
昨日、決めたんです。
私を必要だと、抱きついてくれたお兄さんを、
お兄さんの気持ちを大切にしようって。
お兄さんが監禁の呪縛から逃れる為に。
そばに居ようと、決めたんです。