202号室の、お兄さん☆【完】
その後、サボテン狩り工房で鉢植えを選び、お兄さんのお店に飾るサボテンを選びました。
バニーカクタスという、兎みたいに2つ程手が伸びているサボテンの中に、丸く猫の耳みたいに伸びているサボテンを見つけ、お兄さんは早速お箸で摘んでいました。
「定宗さんみたいですよね!?」
「はい! では此方も定宗さんの家来みたいで素敵な名前ですよ」
月影丸という丸いサボテンも、摘みました。
「これ、お兄さんみたいですね」
定宗さんより小さいサボテンにクスクス笑っていると、お兄さんは横のピンクの花が咲いているサボテンをとりました。
「では、この花が可愛いのはみかどちゃんですね」
そう言って、3つのサボテンを持って帰る事にしました。
茶色の陶器の鉢植えに、仲良く三人並んで居ました。
……サボテンの親子みたいに。
「お兄さん……」
「はい?」
お兄さんは色んな角度から鉢植えを眺めてウキウキしていました。
「わ、私のどこが良かったのですか……?」
こ、こんな胸もない、自信も無い、 私なんか。
そう言うと、お兄さんは驚いてました。
「あんなに、色々してくれたのに、分からないのですか!?」