202号室の、お兄さん☆【完】
「もう食べ終わりましたし、お土産渡しに行きます?」
「そ、そうですね」
無邪気にそう言って立ち上がるお兄さんに、私はただ頷くだけです。
そして、払う、奢るの攻防戦を繰り広げ、何とか半額だけ受け取って貰い、外を見ました。
岳理さんのと思われる車から、――岳理さんが現れました。
勢いをつけて車を閉めると、ライターで煙草に火をつけているのが見えました。
そのまま車に持たれかかり、煙草の煙を吐き出してます。
「お兄さん、やはり岳理さんみたいです」
「あ、じゃあこの『サボテングリーンカレー』を渡しましょうか♪」
ちょうどレストランの入り口に向いて背を持たれていたので、私たちが出たら気づくかも?
と思っていたのですが、
「あ」
先にお兄さんが立ち止まりました。
「誰か助手席に居ます」
そう言われ、何故か2人でレストランの入り口から隠れて見てしまいました。
助手席にいる人は良く見えないと思っていたら、岳理さんが煙草を吸い終わった様で、消すと助手席のドアを開けました。
「女の人だ……」
お兄さんがびっくりして、サボテングリーンカレーを床に落としてしまいました。