202号室の、お兄さん☆【完】
勿論、連れて行かれたのはホストクラブ!!
では無く、ネカフェのダーツをするエリアでした。
「もしもし、すぐ来れる? うん」
ダーツエリアを、チラチラと見にくる人が居る程、トールさんのオーラは凄まじいです。
「ドリンクは飲み放題だから。あ、ダーツする?」
トールさんにそう言われ、首を振りました。
「あの、私、帰らなければ……」
「でも、帰りたく無いんでしょ?」
「へ……?」
トールさんはニヤリと笑い、私に手を出して来ました。
「言ったよね? 女の子は可愛いだけで良いって。携帯貸して?」
「は、はい?」
素直に渡すと、トールさんは電話をかけ始めました。
「あ、みかどちゃんが居る!」
声がして振り向くと、ダボダボのセーターに、前髪をゴムで結んだリヒトさんも登場しました。
「リヒトさん! どうされたんですか?」
リヒトさんは、私にオレンジジュースを渡すと、にこやかに言いました。
「みかどちゃんが困っている気がしたから」
そう言って、トールさんの元へ駆け寄りました。
トールさんは電話を終えたのか、今度は私のカバンを写メり、誰かに送信していました。
「「みかどちゃんを傷つけようとした、罰をあげないとね」」
そう言ってクスクス笑っています。