202号室の、お兄さん☆【完】
そして、携帯を返された直後に、着信がありました。
「も、しもし……?」
『みかどちゃん!!!?』
相手はお兄さんでしたが、様子が少しおかしかったです。
「どうしたんですか?」
『今、どこにいますか!?』
「あ……、トールさん達とですが」
そう言うと、お兄さんが安心したように息を吐き出しました。
『岳理くんが飛び出して行ったんです。
みかどちゃんが誘拐されたっとか言って』
「えぇ!?」
私が驚いて2人を見ると、
悪魔の様に色っぽく、
悪戯っ子の様に可愛く、
――笑っていました。
『ワン切りしたんですよね?
その後、みかどちゃんの鞄だけの写メが送りつけられてから、着信拒否されたみたいで……。
透くん達の悪戯ですか?』
お兄さんが呆れた声で言いましたが、……私、
私、……どうしたんだろう。
な、何故か泣きそうです。
私が震えていると、リヒトさんから携帯を奪われました。
「今、お仕置き中だから、孔礼寺くんにみかどちゃんの居場所バラさないでね?」
そう言っていると今度は、
携帯で話している葉瀬川さんが現れました。