202号室の、お兄さん☆【完】
「見つかったんですね、良かっ……」
「鳴海、悪いケド」
階段を下りてくるお兄さんに、岳理さんは言いました。
「やっぱり、みかどはやれねーや」
「……へ?」
お兄さんが立ち止まり、そのままの体制で固まってしまいました。
「後は、みかどが決める事だから、2人で話し合えばいいケド」
そう言った岳理さんは、私から離れ、投げた煙草を拾いに向かいます。
「お前らの『好き』は、俺の『好き』とは、……多分違うから」
拾った煙草の箱に付いた土を、パンパンと落としながら、そう言います。
「俺の好きは、キスして、抱き締めて、自分のモノにしてしまいたい『好き』だからな」
「岳理、くん……」
「お前らは、お前らの存在の意味を確かにするための『好き』だから」
そう言って、階段を上り、お兄さんの肩を軽く叩きました。
お兄さんも戸惑った表情を隠せません。
「どんな結論になっても、俺が鳴海やみかどを大切な気持ちは変わらねぇから、――安心しろ」
「岳理さん……」
「なんなら危なっかしいお前ら2人を、監禁してもいいぐらい愛してるよ」
ゆ……、
歪んでますー!!!
やはり岳理さんは、何を考えているのか…わ、分かりません。