202号室の、お兄さん☆【完】
優しい、優しい、お兄さんの言葉に、
――私は全力で首を振りました。
「む、無理! 無理無理、無理です!! お兄さんの側は落ち着きますが、」
が、岳理さんに今会うのは、怖いです!
「それは、僕が安全な『お兄さん』だからですよね」
お兄さんは苦笑すると、一緒に立ち上がってくれました。
「じゃあ、僕もみかどちゃんの為に一緒に行きますよ。
その代わり、ちゃんと気持ちを伝えてあげて下さいね」
見上げた階段は、とても遠く、長く感じ、夜の闇に溶け込んでいます。
その闇を、朧気な電灯とお兄さんを頼りに登ります。
「僕ね、岳理くんも大切な親友ですよ」
「そ、ですよね」
「だから、みかどちゃんが岳理くんを好きになっても嫌な気持ちにはならないし、少し嬉しいです」
「お兄さん……」
長かった階段を登り終えると、お兄さんは微笑みました。
「ふふ。みかどちゃんとなら監禁されても楽しいかもしれませんね」
お……、お兄さんまで危ない発言をしています!!!
お兄さんは天然だから、ちょっと発言がハラハラします。
岳理さんが心配するのも、分かる気がしますよ……。
そう思いつつ、岳理さんが居る家へ戻ると、
夜中なのに皆さんが集合していました。