202号室の、お兄さん☆【完】
「えー……、じゃあ岳リンに3草むしり……」
「暴走列車、鳴海さんに5草むしり」
「えー、2人を弄ぶとか選択はないの?」
「2人が振られればいい、に100草むしり」
え……縁側では、法律で禁止されています賭博が行われていました。
お茶碗とサイコロは、ただのポーズみたいです。
「お前ら、知ってたか? 何かを賭けた時点で警察に通報されたら捕まるからな」
タオルでガシガシと頭を拭きながら、岳理さんが廊下を歩いて来ました。
私は慌てて、お兄さんの背中に隠れす。
「でもね、岳リン……。『恋』より『愛』の方が重いんだよ」
「でた! 教授様の名言じゃ!」
「葉瀬川さんって理想が高いからいつまでも独身なのよ」
「「孔礼寺くん、お風呂で溺れてたら良かったのに!」」
「皆さん!! 何で此処に居るんですか!?」
お兄さんが怒鳴ると、皆さんは白々しくそっぽを向いて、何も話していなかったような雰囲気を作ってます。
「この中に、犯人がいるぞ、鳴海」
「へ!?」
タオルを首にかけながら、岳理さんは深い溜め息をつきました。
すると千景ちゃんが不敵に笑い、お兄さんを見ます。
「鳴海さんがプロポーズしたのが、おばあちゃんにバレたのよ」