202号室の、お兄さん☆【完】
「す、すみません、連絡したの僕です」
お兄さんの顔は真っ青になりました。
そして、皆さんを見て、挙動不審にさ迷ってます。
「つい、嬉しくて『結婚を前提にお付き合いする』と」
そう言うと、皆さん一斉に溜め息を吐きました。
「どうすんの? 麗子さん、今タヒチを飛び立ったよ」
「えぇ!?」
「タヒチから日本って何時間?」
「「確か11時間ぐらい」」
「ええぇ!?」
「じゃあ、明日の朝には着くって事じゃな」
「あぁあああ!!」
お兄さんが庭にペタンと座り込み、私を恐る恐る見ました。
「すいません……。つい先走ってしまって」
「……麗子さん、きっと大喜びで帰って来ますよね?」
釣られて真っ青になっていると、岳理さんが私を睨みつけて来ます。
「まずは、俺に言う事があるんじゃねぇの?」
そう言って、また裸足で庭に降り立って来ました。
が、一歩退いて離れてしまいます。
「皆の前で良いから、ちゃんと言えよ」
クッと笑った岳理さんは、
悪魔のように意地悪に歪んでいま、した。
ひ、ひぃぃ……!