202号室の、お兄さん☆【完】
「おい」
玄理さんを追いかける私を呼び止めると、岳理さんは左手を出して来ました。
おずおずと同じく左手を出して握手してみると、チョップされました。
「握手じゃなくて、こう!」
そう言って、握られた右手は、こ、恋人繋ぎでした。
そ、っか……。
私、さっきの瞬間から、岳理さんと
『恋人』にー……!?
「!!??」
「うるせーな」
1人で暴れる私を笑いながら、
岳理さんは右手で煙草を吸い、余裕の表情ですが、
繋いだ左手は、私と一緒でどくどくと熱く早く高鳴っていま、した………。
「あ、の!」
「却下だ」
「!!」
階段を降りる時も、横でしっかり私を、優しく優しく見守ってくれています。
「もう階段に落としたくないし、落とさせないように、な」
う……、うわあああ……。
胸が苦しくなるく、らい、
甘くて、恥ずかしいです。
「っち。こっちも照れくさいだろうが」
煙草の匂いに包まれた、岳理さんも苦々しい顔をしています。