202号室の、お兄さん☆【完】
へ……。
「えぇええ!!??」
驚いて、め、眼鏡を割るかと思いました。
というか、話が早急すぎて読めません。
「巽海さんがね、鳴海さんに会いたいと仰ってるの。監禁生活が長かった事と、貴女の事も説明して差し上げたのに、会いたいからって、先ほどからずっと鳴海さんを説得されてるわ」
「な、あの、来て欲しいとは何日ばかり……?」
2,3日なら学校に支障は無いですが……。
「そうね。短くて1年」
「いっ、1年!?」
「長くて5年ぐらいかしら?」
「ごっ! む、無理です! 無理、無理無理無理無理! 無理です!」
学校もあるし、バイトもあるし、とてもじゃないですが、海外に1年以上行くなんて無理です!
「ご安心なさって。貴女に損はさせません」
「えっ?」
「NYに、聖マリア女学院の姉妹校がありますよね。そこの編入試験を特別に受けさせて頂けるように手配致しました」
「えぇ!?」
「それか、皇汰さんのお母様が働いてます、学校が宜しいですか?」
否定させないような、麗子さんの淡々とした言葉に、思わず息を飲んでしまいました。
でも、
「すみませんが、お断りさせて頂きます」
もちろん、どんな条件を出されても、お受けできるはずもなく。