202号室の、お兄さん☆【完】
「――俺のこと、知りたい?」
やや目を細めて、首を傾げる岳理さんからは、あ、甘い色気が漂ってます。
「あ、やはり遠慮を……」
「却下」
そう言うと、眼鏡を盗られてしまいました。
「――昨日の続き、」
!!!
右手の、手のひらで目蓋を閉じさせられました。
ゆっくりと頬を撫でられ、
唇をなぞられた瞬間、背中が甘く痺れました。
岳理さんが近づいてくるのを感じて、
覚悟を決めて力を抜き体重を預けます。
「岳リーン、出前頼んで……」
「!!!」
「おくね。失礼」
そう言った葉瀬川さんは、平然と出前のメニューに視線を戻しながら、部屋へ帰って行きました。
「っち。また邪魔が入ったか」
「あわわわわわ!!!」
「もう開き直れ、さっさとまた目蓋閉じれ」
む、ムードぶち壊しの発言の岳理さんの膝の上で、暴れて抵抗していたら、
ガチャリ
ゆっくりと温室のドアが開きました。
「あ……」
中から出てきたお兄さんは、顔を真っ赤にしてまたパタリと温室に戻って行きます。
ひぃい、もしや膝の上でイチャイチャしてると間違われたのでは!!!????