202号室の、お兄さん☆【完】
「リカ、今日も君は綺麗だね」
「ジャロとモカとモナもおいで。俺の膝は順番だが、そばで顔を見せてくれ」
す…………、
凄い、甘い声です。
まるで、恋人に囁いているかのように、甘い雰囲気に近寄れません……。
「あ、あのう……」
私が勇気を出して近寄ると、猫さん達はうっとりと撫でられていました。
「あれ、新しいバイトちゃん?」
優しく話しかけてくれたのは、オレンジ縁のメガネをかけた、色んな方向に髪をひねって硬めた金髪のお兄さん。
口元のホクロがセクシーで、ピンク色のTシャツに赤いGパンと、なかなか派手な格好をしている。
「あ、あのリゾットのお客様は……?」
「あ、俺」
三匹に甘い言葉を囁いていたお兄さんが此方を見上げました。
黒いスーツに黒縁眼鏡、サラサラで艶のある黒髪。
切れ長の目元にあるホクロがこれまたセクシーです。
長い脚を組み替える姿が、見とれてしまう程、美しいです。
……というか、お二人は化粧でもしてるんでしょうか?
ここだけ、芸能人が来たかのようなオーラが出てます。
顔、小さいよー。 手足が異常に長いよー。