202号室の、お兄さん☆【完】
オニギリと豚汁ができたので、庭の皆さんの所へ行くと、




――泥だらけで水遊びをしていました。



「「水鉄砲部隊、前へ」」

リヒトさんとトールさんが言うと、葉瀬川さんとドラガンさんが水鉄砲を構えました。


「っち。鳴海、怯むな! 投げろ!!」

「はい!」

岳理さんとお兄さんは、手当たり次第に泥だんごを投げつけています。

お、お庭が田んぼのようにぬかるみ、水浸しでした。


「姉ちゃん、参加する?」

せっせと泥だんごを握る皇汰に、私は呆れながらも首を振りました。
男の人って、何歳になっても子どもみたいです……。


泥水の中を、泳ぐように暴れまわる皆さんと、お兄さんを見て、




――とても、とても、幸せな気持ちになりました。




「まあまあ、だから皆さん、そんな格好なのですね」

101号室の玄関から、麗子さんはちょっぴり驚きながらも微笑んでいました。


皆さんは、外の蛇口にホースをつけて、頭からバシャバシャと水を被っています。

今日が暖かくて本当に良かったです。



「みかど、そこのタオルとって」
「は、い。ってひやぁあああぁ!!!!」

が、岳理さんにタオルを渡そうとしたら、じ、上半身裸でしたのでびっくりしてしまいました。
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