202号室の、お兄さん☆【完】
「もーう! あの2人来てるんですか!?」
閑古鳥が鳴く店内で、テーブルを拭きながら、お兄さんが口を尖らせる。
「あの2人が来たら、猫さん達が帰ってこないんですよ。定宗さんに見つかったら怒られるから、可哀想なのに」
「あははは」
お兄さんは美味しそうなホットケーキとアイスクリーム、そしてチョコパフェをお盆に乗せた。
「僕も行きます。千景さん、中お願いします」
「はいはーい」
雑誌を見ていた千景ちゃんは適当に返事をすると、お皿を下げだした。
「遅い遅い! 鳴海ん、俺ら、お腹と背中がくっついてるよ」
「やった! 俺のチョコパフェ美味しそう」
お兄さんが現れると、猫さん達は浮気が見つかった彼女のように、気まずげにお兄さんにすり寄っていく。
お兄さんは、その姿に鼻の下を伸ばしてニコニコしてます。
……意外と単純だ。
「見てみろよ! 鳴海んっ
俺のデザインしたその服、女の子が着たらヤバい程可愛いだろ」
「そうですね。華やかになります」
そう言って、お兄さんは突然私のエプロンを捲りました。
「きゃああ!」
「このスカートも、理人さんのデザインですよね」
お……お兄さん、酷い。