202号室の、お兄さん☆【完】
チュン チュン
外では、お庭に小鳥が遊びに来ている、爽やかな朝。
「お、起きて下さい。岳理さん」
私は、丸まって眠る無防備な岳理さんを、起こしにやって来ていました。
「んっ?」
ごろんと仰向けになり、腕で目を隠しながらも、まだ岳理さんは夢の中のようです。
「あの、ご飯にしますか? 玄理さんがお風呂も用意してくださって」
私がそう尋ねようとしましたが、言い終わる前に遮られました。
「お前」
……?
「あの、ご飯かお風呂か」
「『それとも私?』だろ。
だから、お前」
か、勝手に選択肢を増やさないで下さい!!!!!
な、何故、わ私が……?
「お前、あれぐらいのキスで何避けてんだよ」
ムクッと起き上がると、無造作に髪をかきあげました。
気だるそうな、その仕草に、なな何故かときめいてしまいます。
そして、そのまま煙草を持って立ち上がると、縁側へと向かいました。
「……また、煙草ですか?」
ちょっと吸いすぎで心配になってしまいます。
そう言うと、振り返って妖しく笑いました。
「みかどがキスしてくれたら、辞めるケド?」
な、何でですか!!!?