202号室の、お兄さん☆【完】


実はと言いますか……。
私とお兄さんの部屋の壁を、穴はそのままで、壁を強化する工事の間、孔礼寺にお世話になる事になりました。

最初は断ったのですが、ついでに畳にしたいドラガンさんや、リヒトさんとトールさんの部屋も改造したいらしく、花忘荘の葉瀬川さん以外が御世話になっているのです。


鮭と大根のお味噌汁、玉子焼きと納豆と海苔の、日本の朝ご飯!っといったメニューが並べ終え、皆さんと岳理さんを呼びました。



玄理さんは、法事の為に先に食べて出かけられました。



「えっと、NYと日本の時差は14時間ですから、お兄さんは只今夜7時ですよね……。まだお仕事中かなぁ……」


岳理さんのお茶も注ぎ、私は麗子さんから渡された携帯を眺めた。

お兄さん専用に頂いた、海外とも電話できる便利な携帯なのです。



「一昨日も電話来ただろ」

煙草を吸い終わった岳理さんが、席に着きました。


「でもお兄さんは、」

「お兄さんお兄さん……って鳴海ばっか」

岳理さんはニヤリと笑いました。


「今日1日、何回『お兄さん』って言うか数えとくから」

「え……?」



「その回数分、キス、させろ」


え……?

えぇえええ!!???
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