202号室の、お兄さん☆【完】
「みかどちゃん、おはよう」
「わぁ! みかどちゃんの手作り?」
リヒトさんが蛍光ピンクのパジャマ、トールさんが真っ黒なパジャマで現れました。
「私は……玉子焼きを切ったぐらいです」
玄理さんと、修行僧さん(?)達がテキパキとやって居られました。
私はデザートのプリンを焦がしてしまっただけの役立たずです。
「キャラメルソースって難しいのですね。お」
『お兄さんならば失敗しないのに……』と言おうとして、目線を岳理さんに向けると、お味噌汁を飲みながら睨んでいました。
「お?」
トールさんが海苔を開けながら、聞き返してきます。
「お、とおくに船に乗って行かれたあの方ならば、キャラメルソースは失敗しないかなぁと」
「何でそんなに、他人行儀な説明なの?」
トールさんが苦笑しますが、私は真っ青です。
「っち」
岳理さんは舌打ちしたので、セーフみたいです。
「せっかくの日曜日なのに、2人はデート行かないの?」
「で、デートですか!?」
「釣った魚に餌あげない男は死ねばいいのに」
そう言うと、味噌汁を叩きつけて岳理さんが立ち上がりました。