202号室の、お兄さん☆【完】
そう言われ身構えたのに、
おでこにチュッとされました。
目をあけると、岳理さんが優しい顔をしていました。
「や………べ。
すっげ、好きだわ」
そう言うと、首筋に口付けを落とされ、
次に頬に落とされ、
ゆっくり下へ降りていきました。
そして、まぶたを左手で閉じさせられ、
ゆっくりゆっくり唇へー……。
海は、誰も居らず、
遠くに船が浮かんでいるだけでした。
二度目のキスは、
潮の香りに包まれて、
やっぱり煙草の匂いも鼻を掠め、
苦くて甘く、
私をとろけさせました。
「あ、あの、そろそろ帰りましょうか?」
「何で?」
まだ首筋にキスを落とされて、身動きがとれません。
「ゆ、夕食を作らなねば!」
「――お前はお客だから良いんだよ。キャラメルソースも失敗するんだし」
……うう。
「でも!!!」
「うるせぇ」
そう言うと、首筋をカプッと噛まれてしまいました。
「ひゃああ!!」