202号室の、お兄さん☆【完】

そう返事をすると、目を細めて笑いました。


「どんな靴でも、姫さんが履けばガラスの靴だよ」

そう言って、足を持ち上げて深く深く口付けを……。




「口に砂ついた」

ぺっと吐き出すこの横暴な方は、

どうやら私をお姫様にしてくれるたった1人の王子様のようです。



「さて、みかどからのキスは後4回かな?」

「へ」


「今晩は、ジジイも双子も外人もいっぱい居るから、まだ帰りたくねぇ」

そう言って浜辺に寝転ぶ岳理さんは、ちょっとだけ可愛いです。

私も一緒に寝転び空を見上げました。

雲には影が落ちて、少し赤く染まりつつありました。
もう、日が落ちてきていたんですね。


「で、どうする? シンデレラ」

「はい?」


「みかどからのキスの続き」



「へ?」


い意外としつこいのですね!



「俺の部屋か

あの石段かー……」


「先ほどのでチャラとか……?」

「――皆の前でも良いけど?」
うう!
更にムチャなことを言ってきて……。


岳理さんは何度、私の心臓を破壊すれば気が済むのでしょうか?
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