202号室の、お兄さん☆【完】
「き、今日は朝の失敗を反省して自粛中なんです」
うぅとそばにあった柱に泣きつくと、岳理さんがクッと笑いました。
「まぁ、俺に食べられる奴が料理作ったら、共食いだしな」
「な!! やはり岳理さんは吸血鬼ですか!?」
「お前、それまじで言ってんの?」
岳理さんは皺を寄せて、口をあんぐり開けました。
「ただいまー。どうしたの?」
そこへリヒトさんが帰って来ると、ドラガンさんが泣きつきました。
「儂、バカップルの空気に耐えられん!! 理人殿、あの2人をなんとかしてくれ」
「わわっ! ドラちゃんなのにのび太みたいな発言!?」
リヒトさんが必死で慰める中、岳理さんは頭を抱えていました。
「どうしたんですか?」
私が首を傾げると、デコピンが飛んで来ました。
「俺、ドラキュラだから、お前覚悟しろよ」
「?」
「俺無しでは生きていけねぇように、全部食べてやる」
そう、言われまた首を傾げると、今度はこめかみをグリグリされました。
そして、帰ってきたトールさんに、ドラガンさんとリヒトさんは泣きついていました。
恋愛初心者の私には、まだまだ男心はよく分かりません……。