202号室の、お兄さん☆【完】
「ただ、女の子は皆、生まれながらに美しい!」
「 男たちはそんな姫を守る為に生まれたんだ!」

2人は芝居かかった口調で言いますが、生まれもって美しいのはお二人な気がします。


「だから、俺はデザイナーに。君みたいな可愛い子にお手軽に可愛くなって欲しくてね」
そう言って金髪の人は、私のエプロンを指差した。


「君の永遠の専属デザイナー、リヒトと申します」

そして、エプロンを捲りあげて、キスを落とした。


「そして、俺は君の永遠の僕(しもべ)。悲しい時も嬉しい時も、困った時もおそばに居させてくれ」

ほっぺについていた蜂蜜を、指で掬われ、舐められた。
そして、渡された名刺には
高級ホストクラブの名刺で『No.1 トール』と写真、携帯の番号が書かれていた。


あ、駄目。

限界。

私、小学校からずっと女子高だったら、免疫、ないのです。

顔が火照って苦しいです……。



「みかどちゃん!!!!」


意識が飛ぶ前に、さらりと肩を抱きしめてくれたのは、




お兄さん……?

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