202号室の、お兄さん☆【完】

「ドラガンは囲碁クラブ、リヒトは飲み会、トールは朝まで帰って来ない」

「と、いうと?」


「岳理とみかどの、簡単3分クッキングでもする予定だ」

た、淡々と言われると突っ込んで良いのか分かりませんが……。


「ほら、これ着ろ」

渡されたのは、ピンク色のレースがいっぱいヒラヒラエプロン。

ちょっと……、いえ、かなり恥ずかしい感じです。



「着ないワケ?」

「こ、心の準備が!!」


「じゃあ風呂? メシ? 先にするならどっち?」

時計を見ると、まだまだお風呂には早い時間ですし……。


「風呂? メシ?」

「ご飯で!」

「それとも、俺?」

「だから、ご飯で!!!」

そっか……。
誰も帰って来ないんならば、2人で新婚ごっこをするつもりなんですね。


「と言うわけで、今からご飯一緒に作って、一緒に風呂入って、一緒に寝るから」

「あぁあああ!!!!! ま、まだ電話切ってなかったんですか!?」

お兄さんに内容を聞かれてしまいました……。



「いいだろ。てか、さっきの俺の台詞、明日はみかどが言えよ」

言えるわけないし、断固拒否しますがね!
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