202号室の、お兄さん☆【完】
「よし」
岳理さんが服の袖を捲ります。
どうしょう……。捲る仕草が既に格好良いです!!!!
「パエリア、作ってやるよ」
「本当ですか!?」
「みかどは、サラダ担当な」
そう言って、アボカドとブロッコリーを渡されました。
チラッと見ると、岳理さんは慣れた手つきで、包丁を持って、海老と対面中です。
だから、言えません……。
アボカドみたいなオシャレ野菜は、食べた事はあっても調理した事がないのは。
とりあえず、ブロッコリーを茹でてみます。
「みかどは、苺以外何が好き?」
「へ!?」
な、何故、誰にも言った事がないのに苺が好きだって分かったんでしょう?
「……部屋に苺クッションあるし。苺ミクルセーキ好きだよな」
な、何で胸がきゅんとするんでしょう。大好きな苺の話題だからってだけじゃないです。
「俺と苺以外、何が好き?」
「わっ 勝手に岳理さんを追加しないで下さい!!」
ニヤニヤしてる岳理さんが憎らしいです。
「アボカドの切り方ぐらい、尋ねれば手取り足取り教えるケド?」
「!?」
わ、わざと私が分からない食材を選んだんですね!!
――私から甘えてくるように。