202号室の、お兄さん☆【完】
海老とアサリとイカの旨味いっぱいのパエリアはとても美味しいです!
……岳理さんが作ってくれたからこそ。
「でも、本当は私が作ってあげたかったのに……」
「みかどには、明日のシーフードカレーを期待してる」
「が、頑張ります」
「ああ」
カシャッ
「!?」
やや下を向いた隙に、またしても携帯を奪われてしまっていました。
「俺の画像、削除するぞ」
ななんで岳理さんはいっつも人の携帯を勝手に弄るんだろ!
「――ロックしてやがる」
パエリアを食べていた手を止めて、私を睨みつけました。
私は鼻高々にフフンと笑ってやりましたよ!!
「皆さんや岳理さんに悪戯された経験からです」
「ふーん……」
そう言って、岳理さんはまたボタンを押すと、目を見開きました。
「抱きしめるぞ」
!?
な、なんでそうなるんですか!?
「パスワード、」
「あ……」
「俺の誕生日なんだけど?」
そう言うと、岳理さんの顔は真っ赤になりました。
パエリアの上にある、大好きな海老よりも真っ赤です。
「抱きしめながら、メシ食べていい?」
「お、お行儀が悪いです!!!」