202号室の、お兄さん☆【完】
「別に良いじゃん、来いよ」
「あ~~!! アボカド美味しい!!」
「みかど、おいで」
「~~!!」
両手を広げて、笑いかけてくる岳理さん、きゅんってします。
胸が一生分高鳴ってる気がします。
「じゃあ、風呂は一緒に入るぞ」
「じゃあの意味が分かりませんっ」
「せっかく誰もいねーし、良いじゃん。じゃあ抱きしめさせろ」
だから、『じゃあ』の意味が分かりません!!!!
あんなに美味しいと思っていたパエリアの味が分からなくなるぐらい、ドキドキしてます。
上機嫌になると、岳理さんはオオカミに変身するのかも……?
「ちょっとぉ!!!!!!!」
「?」
縁側から声がして、私たちは和室から向かうと、
ハイヒールのままの千景ちゃんが縁側をドスドスと歩いてやって来ました。
「千景ちゃん!?」
「わーん! みかどったら酷いじゃないっ 私が今、苦労して英会話通ったり、茶道や華道や書道を習ってる中、いちゃいちゃいちゃいちゃ」
そのまま千景ちゃんは私のまな板な胸に飛び込んでくると、わーわー泣き出しました。
「ごごめんね、千景ちゃん。最近連絡してなかったから、寂しくてつい」
「じゃあ、みかどのエプロン姿、写メって良い?」
だから、『じゃあ』の意味が分かりません。