202号室の、お兄さん☆【完】

「みかど、食べさせて~」

「岳理さん、私にもワイン!」
勉強でストレスだらけだった千景ちゃんは、すっかり甘えん坊モードです。


毎日毎日、習い事はきっと大変なんだと思います。

頑張ってる千景ちゃんはやっぱりキラキラして格好良いです。


……お兄さんの為に頑張っているのだと思うと、とても愛しい気分になります。



「今日は私の、まな板な胸で良ければいっぱい甘えて下さい」
「やった!」

「っち」

ちょっぴり不機嫌になった岳理さんは、オオカミの尻尾を隠してくれました。



「あら、せっかく新婚ごっこ中の2人の為に、子ども役を買ってあげたのに」



そう言った千景ちゃんは、

本当に子どものように、甘えてきてくれました。



そして、千景ちゃんを真ん中に、3人川の字で眠る事になりました。


岳理さんは、ちょっぴり不満そうでしたが、私は少しホッとしました。



も、もし、遠い未来に、本当に新婚ごっこを実行できる日が来るならば、それまで頑張って慣れないといけませんし。


今はまだ、ちょっぴり甘くて、けれど楽しい、そんな日常であって欲しいです。



自分の成長が追いついたら、

……いつか。
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