202号室の、お兄さん☆【完】
ぐっ 背に腹は変えられません。
「れ、レポート見せて下さい。
と、トールお兄ちゃん……」
「!!」
「い、苺大福食べたいです。り、
リヒトにぃ……」
「!!!」
2人はテーブルにレポート用紙と苺大福を置くと無言で立ち上がりました。
や、――やっぱり気持ち悪かったみたいです。
「ど、どこに行かれるんですか? すみません! 私……」
「俺、ちょっと総理大臣になって、俺とみかどちゃんが兄妹になれる法律作ってくる!!」
「へ?」
そう言った、トールさんの目は怖いぐらい輝いて美しく、けれど座っていました。
「俺、ばぁちゃんに金借りて、みかどちゃんの親父さんからみかどちゃん買ってくる! で、妹にする」
こちら、リヒトさんの目も同じく。本当に飛び出しかねない2人の手を掴みますが、2人は止まってくれません。
「うわわわわ!! 法律改正はた大変ですし、麗子さんはNYに居ますから!!」
「お前ら、――何してんの?」
玄関で2人を止めていると、突然玄関のドアが開きました。
そして、スーツの上着を肩にかけて、煙草をくわえた岳理さんが立っていました。