202号室の、お兄さん☆【完】
ドラガンさんの手には、大量の素麺とかき氷機が……。
「いやぁ……。日本の夏と言えば、素麺! スイカ! かき氷じゃな!」
「あの、ドラガンさんは素麺担当でしたが、かき氷機は……」
「!! そうじゃった! 肝心の蜜が無ければかき氷はできぬな! いちご味とメロンとブルースカイを持ってくるぞ!!」
いちご……。いちご味と聞いてトキメいてしまいましたが、ドラガンさんは勝手にかき氷の蜜を探してまた消えて行きました。
皇汰も花火コーナーから動きません。
お素麺、色付き麺が何本が入っているのを選ぶ辺りがドラガンさんらしいです。
「みかどちゃん、これぐらいで良いかな?」
「あ! かき氷機!!」
次に現れたのは、リヒトさんとトールさん。
リヒトさんは鼻めがねを装着し、トールさんは『帰国子女』と書かれた、たすきを首から下げていました。
「折り紙で輪っか作って天井からぶら下げたかったけど、庭で素麺流しなんだよね?」
「『お帰りなさい、202号室へ』って看板飾りたいから、岳りんあたりにテント出させようよ」
そう言って、折り紙、鼻めがね、たすき、トンガリ帽子、スプレーペンキを次々に入れていきます。
「ありがとうございます。あの、皇汰が花火をしたいらしくって」