202号室の、お兄さん☆【完】
「えっ」
祝日だから、てっきり皆さん部屋に居ると思ってたのに。
「でも、挨拶に行ったら喜ぶ人たちばかりよー。日本オタク、漫画オタク、ホストにデザイナー、私たちの通う大学の教授もいるわー」
「そりゃあ個性的な面子ですね」
呆然とする皇汰が、少し可愛い。
「私は、岸六田 千景(きしむだ ちかげ)。去年から、おばあちゃんの代わりに管理人として住んでるのー♪ 男ばっかりだから、可愛い男の子と女の子で嬉しいわー」
……美人さんで性格まで良くて、こんな素敵な管理人さんで良かった!!
推定Fカップはありそうなグラマー美女さんと、チビめがね、三つ編みのBカップはちょっと不釣り合いかもだけど、
優しい人が同じアパートに居るだけで、凄い安心できる。
結局、ご好意に甘えてお部屋にお邪魔し、渡したお菓子を食べながらご飯が炊けるまで談笑していた。
すると、ドアをノックされた。
「もーう! 千景さーん!!!」
ドンドン、慌ててドアを叩く、人。
202号室の、お兄さん。
これが出会い。