202号室の、お兄さん☆【完】
「ばかー! 栄養偏るでしょっ うちで皆で食べるわよー!」
花忘荘への帰路で千景ちゃんに遭遇し、
お兄さんは納豆ご飯を、私は卵かけご飯にすると言うと怒鳴られた。
私はお風呂に入り、ネギと卵を持って、千景ちゃんの部屋に向かっていた。
カラン…… コロン……
ん……?
カラン…… コロン……
道を歩いている音にしては、響く、なぁ……。
「どうしました?」
階段で立ち止まっていた私の後ろに、お兄さんが現れた。
手には、納豆をしっかり持っている。
「いえ」
「髪の毛下ろすだけで、女の子は印象変わりますね。スーツ姿も普段着も、可愛らしいです」
「えっ」
ニコニコ言うけど、深い意味はなさそう。
薄暗くて良かった。多分、今、顔が真っ赤だ。
「何してんのー? ごはんできたよー」
一階からの声に、私たちは慌てて降りていく。
ミニスカートでエプロン姿の千景ちゃんは、やっぱり艶めかしいです。
「5品は無理でも、せめて3品は食べないと!」
水菜とじゃこのサラダ、大根と油揚げのお味噌汁、そしてハンバーグ!!!
めっちゃくちゃ美味しそうです。
持参した納豆と卵とネギで、納豆卵ごはんも忘れずに!