202号室の、お兄さん☆【完】
目の前には、金髪の長い髪を束ね、肩に流し、色っぽく浴衣を着ている外人さん。
碧眼で色白で、ハンサムで……す。
金髪碧眼って、童話の中の王子様みたい。
「楠木みかどちゃんよー。可愛いでしょ?」
心なしか、色白の肌なのに、頬が桃色になっている。
もしかして、お酒に酔ってる!? そういえば、若干お酒臭い……。
「大和撫子発見! なんばこげなトコさ、居たんだべさ!」
……やっぱり、方言が色々混ざってると思ったら、目が座ってる! 完全に酔ってるよー。
「黒髪に、控えめな物腰! まさしく日本のことわざの『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』じゃ!」
そして、下駄のまま、廊下を歩いてきて、千景ちゃんを見た。
「そんな胸ば強調して、花魁は恐ろしかぁ~。
お千のせいで、大和撫子は絶滅したと、諦めとったとばい」
「あっら~? お酒に酔ってるからって本音を出して良いわけじゃないのよぉ? 鳴海さん」
笑顔の千景ちゃんが鳴海さんから受け取ったのは、
――納豆でした。