202号室の、お兄さん☆【完】
「千景ちゃん、その格好どうしたの?」

「あぁ、テニス同好会の勧誘中なの。あと5人居なきゃ、テニスコート借りれないし、高くなるしぃ」

真っ赤な唇に淡いピンクのナース服……。ここら辺の男の人の視線を一身に浴びています。


「あのウエストであの胸は無いよね」
「き、きっとパット入れてるんだよ」
友達2人が、千景ちゃんの胸に釘付けになってそう言っていたら、千景ちゃんは2人にウインクした。


「触ってみ・る?」
ちょんっと、胸元の服を引っ張り、甘く誘いかけた。
あれ? 私、女なのに、何でドキドキしてるの?



「えー! めっちゃ柔らかい! てか重っ」

「そうなのぉ~。無駄に肩凝っちゃうしぃ~」

「弾力もある……。胸元も綺麗」

「夏場は谷間に汗かいちゃうけどねぇ」


な、んで、何で2人は普通に千景ちゃんの胸を揉んでるんだろう……?
何で千景ちゃん、平気なの!?
いつしか、葉瀬川さんの同好会の人々も姿を消してしまったし。

3人は気がすむまで揉み合い、解散した所で、男子新入生からのテニス同好会への入部が殺到した。


「千景ちゃん、今日時間ある?」

名簿に名前を書いている千景ちゃんに話しかけると、色っぽく微笑んでくれた。


「ええ。どうせなら食堂で食べて帰りましょう」

漸く30分後に、食堂で待ち合わせすることに成功した。
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