202号室の、お兄さん☆【完】
「これ以上は、教えられないし、興味本位ならもう忘れて欲しい」
そう言った後、切なく笑った。
同時に、私も胸が苦しくなった。勿論、興味本位なんかじゃないけど、私みたいな他人が踏み込んだら駄目な気がした。
すると、空気を読んだ千景ちゃんが急に意地悪な笑みを浮かべた。
「好きになるには、面倒なタイプだと思うよ」
「だっ、だから、違うんだってばぁ!」
キシシシと千景ちゃんは笑った後に、凄く優しい瞳をした。
「鳴海さんの話はできないけど、私が巨乳コンプレックスだった話ならしてあげるわよ」
「コンプレックスだったの!!??」
驚くと、千景ちゃんは呆れたように溜め息を吐く。
「これだから、困るのよねぇ。巨乳には巨乳なりの、悩みがあるのよぉ?」
そう言いながら、両手で胸を持ち上げたり、左右から寄せたりなかなかの絶景を作り出してくれる。
私が男だったら三本の指に入りそうな鼻血ものの絶景だ。
「此処からは有料で~~す」
そう言うので、杏仁豆腐を献上したら、美味しそうに食べてくれた。