202号室の、お兄さん☆【完】
お店をオープンすると同時に、モデルの様な、高身長の美少女が入店した。
「はぁい♪ 私に炒飯大盛りお願ーい」
サングラスに長い手足、ミニスカートから生える太ももは白く美し……い?
……あれ? どっかで見た事あるような……?
「鳴海、よろしくねん」
その美少女は、キッチンにいるお兄さんに投げキッスをすると、お店の一番奥の席に座ってしまった。
「炒飯なんてメニューは、無いのに。毎回毎回、本当に我が儘ですね。しかもあんなミニスカート履いて」
お兄さんはぶつぶつ文句を言うが、冷蔵庫を開けて炒飯の材料を物色し始める。
私がお冷やを渡すと、その美少女は微笑んでくれた。
「ありがとう。みかどちゃん」
「えっ どうして私の名前を……」
驚いた私が後ずさると、美少女はサングラスを外した。
「彼氏の鳴海から、色々聞いていますの」
かれ、しー……?
何故か胸が、ズキズキ、
呼吸が速くなっていくのを感じた。
「もぉ!!! トールさん!!!」
けれど、その絶望はすぐにお兄さんの怒鳴り声でかき消された。