202号室の、お兄さん☆【完】

「みかどちゃん、この前1人でリヒトの店に来たんだろ?」

話し声を聞き、やっとトールさんだと気づいたモカ達が集まってきた。

「リヒト、凄く喜んでたよ。
オシャレの第一歩に、自分の服を選んでくれたって」

甘く、艶やかな雰囲気なのに、綺麗で、美しいのに、
何故か話すトールさんは男らしくドキドキします。
……女装して綺麗なのに、男らしいって不思議だなぁ。


「トールさんにも先日倒れたお詫びをして居なかったですよね。本当にすいません。

でも、リヒトさんのお店、オシャレ過ぎて30分が限界でした。」

「あっはは、みかどちゃんらしい」

楽しそうに笑うが、また優しいとろけるような微笑に戻った。


「慎ましやかなのも可愛いけど、今度俺にメイクさせてよ」

「えっ」

「自信が無いんだろ? そんなに可愛いのに。
俺、メイクアップアーティスト志望だから、みかどちゃんの顔に似合ったメイク、教えるよ」
「な、なるほど! だからその様な姿になってるのですね」

薄く引いたアイラインに、水色のアイシャドウ、桃色のチークに、淡い口紅……。確かに凄く習いたい技です。
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