202号室の、お兄さん☆【完】
「ああ、これは同じ学科の子に、練習代わりにね。綺麗だろ?」
ウインクする切れ長の目は、ばっちりつけ睫毛までしていました。

「綺麗すぎます! 私、未だに中学生に間違えられるので化粧を覚えようと思っていたんです!」
今も、眉毛を整えてファンデーションしか塗ってない。


「あっは。俺は化粧前と化粧後が別人になるメイク、得意だし、それも可愛いけど、みかどちゃんらしい化粧を見つけたいかな」

「ほ、ほう?」

「せっかくのサラサラの髪だから、三つ編みじゃなくて降ろせば良いし、目も大きいから目元を弄るだけで可愛いくなると思うよ」

大急ぎで、エプロンのポケットに入れていた、仕事用のメモ帳にメモると、とうとうトールさんは笑い出してしまった。


「なんでこんなに可愛いんだろうね。
女の子って本当にズルいな」

「トールさんの方が何百倍も美しいのに! 何故そのような事を言いますか!」

「本当? 男なんて全然魅力無いじゃん。
女の子の柔らかい肌、細い腰、甘い匂い、全てに置いて守ってあげたいし、愛しくて堪らなくない?」

残念ながら、私はそんな女の子じゃないし、男でもないから理解できないです。
< 96 / 574 >

この作品をシェア

pagetop