202号室の、お兄さん☆【完】
「俺、下に10人弟が居るけど、もし妹ができたら、本当にヤバかったなぁ……」
ちょっと残念そうに呟く。
それはちょっと理解できます。私も皇汰はとても可愛いし愛しいですから。
「みかどちゃんを妹と思って、可愛がるから良いけどさ」
「良くありませんよ」
私の後ろに、音もなく現れたお兄さんが拗ねたように呟く。
「本っ当に透さんも理人さんも、女性の話ばっかり」
「だって、世界中の女の子を守る為に、男は生まれてきたんだからね」
「……凄い発想ですよね。尊敬しますよ」
そう言いながら、透さんの膝に座っていたジャロとリカを抱っこし、モナとルナさんを呼び寄せた。
「では、ごゆっくり。行きましょう、みかどちゃん」
「はい」
トールさんは色っぽい口を大きく開けて、炒飯を食べ始めました。
美しいのに男らしく豪快で、なかなかシュールでした。
「みかどちゃん、ちょっと座って」
お兄さんがまな板や道具を拭きながら、ダイニングバーを指差した。
言われる通りに座ると、鳴海さんはミキサーに牛乳、砂糖、苺、蜂蜜と氷を入れて、混ぜだした。
ガリガリと氷が削らていく音はなかなか胸が高鳴ります。
「簡単だから、作り方すぐ覚えられると思う」
そう言ってグラスに流して私に渡してくれた。