最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
俺が知る晴香は、こんなヤツじゃなかった。

前向きで、親を避難の目から守ってた。



「いつか言ったよな。“私はここで生きなあかん。生きたい。せやから、周りの目なんか怖くない。怖いのはただ一つ、死ぬ事や”って」



「昔の話。私をこうさせたんは、舜君やんか。もっと早く振れば良かったんに」



「……そうやな、」



全ては俺が悪かった。

もう、それで良い。

被害者の息子。

そして、加害者の妹の家族として、生きれば良い。




< 110 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop