最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「うわっ!……あっ;;」



立ったまま直してたせいか、バランスを崩して井ノ原さんの胸にダイブ。

支えて貰い、転倒は免れたけど、久しぶりの至近距離に顔が熱くなる。

それに、メイクはおかしくないだろうか。



「グロスを塗ってないんは、キスしろって意味か?」



「ち、違――っ?!!」



私の返事も聞かずに、唇に触れた彼の唇。

コーヒーの良い香りがするも、少し苦いキス。
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