最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「塗ってなくて良かったやん」



「……そう、ですね;;」



まともに井ノ原さんの顔を見れない中、離れてコートと鞄を持ち、家を出る。

ブーツのファスナーを閉め、鍵も締める。

グロスを塗り、鞄に巻いてたマフラーを首に巻いてると、どこからか見られてる気がした。

でも、私の前には井ノ原さんただ1人。

単なる気のせいだ。



「そういや俺、明日から2週間、店行けへんから」



「何で?」



今までが来すぎだったとか?
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