最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「似てへんよ。私は、殺人犯にはならへん」



「……もうえぇわ」



重い腰を上げ、溜め息を残して晴香ん家を出た。

今頃、佐由美は何をしてるか。

初めての俺ん家に1人はつまらないだろう。

テレビかて、今の時間に見たい番組はないやろうし。

泣いてなければ、それはそれで良いんだが……。

――なぁ、親父。

どないしたら、俺は強くなれるんや?

――なぁ、お袋。

大切な女を泣かせた俺は、アホやろ?



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