最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
肩に掛けた鞄の持ち手をキツく握り、怒りを抑える。

どうして会ったばかりの人に言われなきゃいけないのか。



「海藤さん、優しそうな顔してよく言うね」



「は?どう見たって猿みたいな顔してるでしょ!」



成美と双子ちゃんをお迎えに行きながら、鳴らない携帯を握る。

着いたら連絡くれるって……。

…忙しいのかな。

向こうの本部に、顔を出さなきゃいけないみたいだし……。





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