最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「お客様。何か不都合でもございましたか?」



引きつる頬を何とか上げて声を掛け、佐々木君を納品作業に回す。

今井さんが話そうとすると、「嘘を言うな」と叫ぶ。

…はぁー。

これは警察が欲しい。



「俺が缶ビールを持ってったら、あいつが缶を凹ましたんだ」



「缶ビール、ですか?」



確かに、言われた通りにカウンターには缶ビールが1缶。



「それは、お客様が投げたからです」



あいつとは佐々木君のようだ。
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