最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「成美ー。さっきはありがとね」
「おはよう。私も楽しかったよ」
夕方、私は少し早めに出勤し、成美にお礼を伝えた。
ユニフォームに袖を通し、今日のお店での出来事を聞かされてると、バックヤードのドアが、バンッ……と、勢い良く開かれた。
「ビックリした;;」
「芽、静かに開けてよ;;だいたい妊婦――…」
「佐由美!井ノ原さんの奥さんが来た!!;;」
「「え……っ?」」
成美のお叱りを遮り、フロアを指差しながら言う芽。