最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「暢の元カノの事件と云い……世の中はどうなってるのかな」



芽は出て来たお腹を撫でながら、壁に背を預けた。

成美は視線を宙に泳がせ、私は舜の手を握った。

誰もが大切な人の死を乗り越えて、日々を生きて行くのだろう。

私は父親を亡くして。

舜はご両親。

成美はご両親にお姉さん。

芽は下川さんの元カノさんの死の痛みを分け合って来た。

まさか、明るい印象の垣本さんも悲しみを抱えて働いてたなんて。
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