最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
寒い夜空の下、クリスマスソングを流しながら、サンタの格好をした下川さんと、ケーキを売る私。
サンタの帽子を被り、巻いた髪が崩れないように気を付けながらシュシュで束ねる。
メイクはかなり気合い入ってるし、ニヤニヤと込み上げる笑いを堪えるのに必死。
「頭、大丈夫?;;」
「去年のクリスマスはみんなとだったけど、今年は……幸せって、こんなでしたっけ」
好きな人と過ごせるなんて、こんなにもわくわくするなんて。