最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
「クリスマスケーキ販売中です!いかがでしょうかー?」



弾む声は、いつもより何倍も高く響く。

白い吐息で手を温めてると、成美の旦那さんが登場。



「香椎さん、何してるんですか」



「酒の買い出しですよ。酒豪ばっかりですからね」



いつ見ても、お美しい。

けど、今の私には普通にしか見えない。

恋って恐ろしい。

この前まで自覚なかったのに、気付いたら、その人が輝いて見えて。

その人でいっぱいになる。
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